アメリカのインターネット選挙の事例で見る今後の日本の未来

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インターネット選挙 アメリカ

アメリカのインターネット選挙が始まるのは
1992年と意外に早いもので、

その頃はまだ、紙の選挙用ハガキを
そのままメールに貼り付ける程度の
ものでしたが、

現在ではあらゆる規制が緩和され、
インターネット選挙では
先端を行くかたちとなってきました。

2012年に日本でもごくごく一部が
解禁ということになったのですが、
メールでの選挙活動や広告などでも
まだ多くの規制がかかっている状態です。

しかし、いずれはその規制も外され、
国民IDなるものを用いてネットでの投票も
可能になることが言われています。

現在の日本の現状を考えると
それも少しさきの話しになるのかもしれませんが、
アメリカのネット選挙で何が行なわれているのかを
知っておいて損はないはずです。

目次

1:アメリカ大統領選とは
2:アメリカにインターネット選挙が導入されるまで
3:日本のインターネット選挙の今後
4:まとめ

1,アメリカ大統領選とは

アメリカのインターネット選挙を知る上で、
先ず知らなければならないのは、
アメリカの選挙の仕組であると考えます。

これらの事はアメリカの政治動向と
同じくらい日本人には馴染みがないのですが、

先ずは、そこから説明していきたいと思います。

1-1予備選

大統領になるために、最初にしなければならないのが、

立候補です。

選挙には約10億ドルかかるといわれてますが、
資金集めからサポートスタッフの確保など、
かなりの長期戦になるので、

それを戦い抜くための資金力と体力が
必要になるというわけです。

立候補の条件としては、

  • アメリカ生まれの市民権を持つ国民であること
  • 35歳以上であること
  • アメリカに14年以上住んでいること

スケジュールは以下の通りに進んでいきます。

  1. 選挙前年の春に出馬表明
  2. 選挙前年の春から夏にかけて、
    予備選と党員集会を行う
  3. 選挙当年の1月から9月にかけて、
    大統領候補指名大会を開き候補者を選出
  4. 9月、10月に候補者は大統領討論会に参加
  5. 11月初旬、一般選挙
  6. 12月、選挙人による投票
  7. 選挙翌年1月、連邦議会で開票
  8. 1月20日、大統領就任式

国民は直接ではなく間接的に
候補者を選ぶということになります。

はじめに、党内から大統領候補者を
選ぶということになりますが、
国民が予備選で投票するのは、

候補者を支持する「代議員」という存在です。

国民の支持する候補者がいて、
その候補者に直接投票する
というのではなく、先ずはその

「代議員」が代わりに投票することになります。

ここでは、国民は代議員を選ぶという
ことになるのですが、

代議員はどの候補者を支持するのかを
事前に制約しているので、実質、
代議員に投票するということは、

国民が支持する大統領候補者に投票する
という事になり、この仕組がなりたっているわけです。

50の州全てで、民主党の代議員4049人、
共和党で2380人が選出されます。

支持する代議員の票の数が過半数で、
それぞれの政党公認の大統領候補が
決定します。

その後の、大統領候補指名大会というのは
党の決起集会のようなもので、
団結することを目的としています。

そこで、この期間中に副大統領を
だれにするのか決めるのです。

大概、副大統領は候補者の性格とは
真逆の人物が選出されています。

この本選挙を共に戦う
ランニングメイト(副大統領)を
どのような人物にするかで、
今後の選挙戦を大きく左右すると言われています。

1-2本選挙

予備選では、大統領候補を支持する
代議員を選び大統領候補者を選出
するところから始まりました。

そこで、政党公認の大統領候補が
選出されたわけですが、

本選挙では、
代議員ではなく「選挙人」というのが
投票するということになります。

同じく、この選挙人というのも、
ある特定の候補者を支持することを誓約していて、
その選挙人に一般国民が投票するかたちです。

この選挙人というのは、そもそもの始まりは、
地元の有力者や名士などが票を取りまとめて、
ワシントンに持っていくというのが始まりだったそうで、

有力者という点では現在と何ら
変わらないのかもしれませんが、

現職の上院・下院議員や州知事、
州の党の幹部などが任命されます。

で、その選挙人の数というものが、
各州ごとに割り当てられているわけです。

カルフォルニアの場合は55人
であるのに対して、
アラスカはというと3人であるように
その土地の人口などによって数に差はありますが、

各政党が選挙人候補者を
それぞれの州でたてることになります。

例えば、アラスカ州で決められた
選挙人の数が3人で、

民主党側が3人の選挙人候補者をたて、
共和党側が3人の候補者をたてます。

そこで、共和党が勝利した場合は共和党の3人が
選挙人に選ばれるということになり、
民主党の3人は選ばれないということになります。

州によっては、
民主党が優勢のブルー・ステイト、
共和党が優勢のレッド・ステイトと
呼ばれるものがあり、

その他、激戦と呼ばれる州がありますが、
候補者はその激戦地区での選挙運動を
重点的に行います。(実際、2016年のトランプはブルーステイトの
カルフォルニアやニューヨークでは殆ど活動しませんでした。)

そこで、各州で選ばれた、というよりはその州をとった、
政党の選挙人が投票を行うということになるわけです。

結果は投票する前に決ってはいるのですが、

翌年の1月には大統領が正式に
決まるということになります。

1のまとめ

なぜアメリカの選挙はこうも長いのかは、
単純に予備選と本選挙の2部構成になっているからです。

一見複雑に見えるかもしれませんが、
仕組みそのものはいたってシンプルです。

選挙人が代わりに投票するというのも、
昔からの名残のようですが、

しかし、アメリカの選挙戦にも
インターネットの登場により、
変革が訪れることになります。

2,アメリカ大統領戦にインターネットが導入されるまで

インターネットを初めて選挙に
使用したのは1992年の予備選での
ジェリー・ブラウン候補でした。

92年にパソコンやインターネットの
普及があったことに驚きなのですが、
次第に使われるようになります。

96年には、ホームページ程度のものは誰でも
設置するようになりました。

ホームページといっても、プロフィールや
ボランティアの募集程度のものが載っている
くらいでした。

しかし、2000年代に入ると、電子メール、
インターネット広告などが使われ始めます。

当時のマケイン候補のホームページでは
ネット献金なども行われ640万ドルを集める
ことができましたが、これはメディア、
テレビで宣伝した後にホームページに
アクセスを集めたもので、

インターネットそのもので献金を
集められたというわけではありませんでした。

2-1最もインターネットを上手く使ったのは誰か

ようやく、2004年で変革が起こることになります。

民主党の予備選でのハワード・ディーン候補は
知名度、資金力ともに不利であったため、
インターネットでこれらの問題を解決できないかと
考えました。そこで、

当時ではまだフロンティアであった、
ブログ、SNSを使用しました。

SNSといっても「Meetup.com」
聞いたこともない初期のものらしいのですが、

これとブログの双方を連動させ、
ネット上で支援者を募ったり、
地域集会の告知をして動員数を増やす
ということとをやってうまく行きました。

拡散という現象を引き起こしたという点では
ブロガーの存在も大きかったといえます。

結果的にディーン候補は落選して
しまったのですが、彼の行った選挙戦術が
今後のアメリカでのインターネット選挙では
主流になっていくのです。

後に、バラク・オバマは当時のディーン陣営
のスタッフをそのまま雇入れ当選しました。

2-2クレジットカードによる献金が明暗を分ける

マケイン候補は、テレビを介しての
インターネット献金で640万ドル、

ディーン候補が集めた献金額は
5100万ドルで、

同年04年のケリー候補は
8000万ドルになりました。

そこで、
04年に何が起こったのかといえば、
クレジットカード献金が使えるように
なったことです。さらに、先ほどの

ディーン候補の献金のうち58%は
200ドル以下の小口献金なのです。

この時点で大口献金よりも、
小口献金のほうが上回ってしまって
いるのですが、

後のオバマ陣営はそんなものではありませんでした。

まず、大量のメールアドレスを取得し、

その数1300万件。(04年のブッシュは600万件、
ケリーは300万件、ディーンは60万件。)

簡単に言えば、支持者「献金してくれるだろうの人」
のメールアドレスを大量に入手したわけです。

で、そこに、「献金しませんか」という
メッセージを送るわけなのですが、

そこでもさらなる工夫が行われたようで、

献金額べつで支持層を分けることによって、
それぞれに的確なメッセージを送るなどし、
結果、7000種類のメール文を作ったそうです。

また、クレジットカードでの献金方法も
さらに簡単に出来るようにして、ほとんど
クリックするだけで、誰でも簡単に献金が出来る
ような仕組みにしました。そうすることにより、

これまで、政治に無関心だった
若年層からの小口献金を得ることに
成功したのです。

結果、オバマはいくら集めたのかというと、
総額3億3673万ドルにもなった
ということです。

前述した数字とは比較にならないくらいですが、
オバマがなぜこうも成功したのかというと、

2004年のディーン陣営のスタッフをそのまま
メディアディレクターとして雇ったことが、
勝因だといわれています。

2のまとめ

最終的にオバマへの献金額はヒラリー・クリントン
を上回る結果となりましたが、

これほどの政治献金が集まったというのも
クレジットカードが使えるようになったことが、
影響したといえます。

ふつう献金というと、一般の人たちには
関係がないようにも思われていますが、

特定の人物にお金が集まるということは
それだけパワーを持つということなのです。

それを簡単にできるようにしたということは
実は政治的に重要な意味を持つわけです。

たまに日本の政治家でも個人献金のみで
政治活動を行っている人がいるが、
その場合、振込用紙になります。

それを見た瞬間、
「こんなんで集まるのか」
と非常に残念な気持ちになりました。

少なくとも若い人からの個人献金など、
お金があったとしてもやらないだろうと
思いました。

クレジットカードで誰でもネットで
献金が出来るというのは、規制も何もない
アメリカだからこそできるのかもしれませんが、

日本にもそのような仕組が導入されるのは、
余程のことがない限り少し先の話しになりそうです。

3,日本のインターネット選挙の今後

一体なぜ日本の選挙にはここまで
規制があるのでしょうか。

様々な原因はあるとは思われますが、
最大の要因があるとすれば、

それは政治家の、地盤、看板、かばん、
になります。

3-1最大の足枷となる地盤・看板・かばん

政党の目的は候補者を当選させることです。

もし、候補者が当選できるかの資質を
問うのであれば、
地盤・看板・かばん「三ばん」があるかないかです。

この三ばんとは、何を意味するのかを
それぞれ説明していきたいと思います。

3-1-1,鞄(カバン)というのは資金力、

アメリカのインターネット選挙では、
この資金力が大きく左右したわけですが、

お金を持っていることは
政治家になれるかどうかの
条件の1つなのです。

3-1-2,看板(カンバン)これは、知名度のことです。

有名人が候補者として出馬する
最大の理由は何かといえば、

それは単に有名だからです、
有名でもない人よりは、有名な
人を当選させるほうがはるかに
簡単なのです。

3-1-3,地盤(ジバン)とは、組織です。

後援会や団体組織、企業でも
宗教団体でも何でもいいので、
その人を支援してくれる人の
数が多いかどうかです。

地元に根付いているということも
あるのかもしれませんが、その
土地の名士ということもあると
思います。

何かしらの団体がその人のバックに
ついているということもあります。

候補者と団体に利益の供与があったり、
利害関係があるということでもありますが、

その地盤が受け継がれる、
世襲になっていることが、
問題とされています。

この地盤(ジバン)を持つ
世襲議員からすれば、

インターネット選挙の解禁は
絶対にやってほしくないのです。

そうなると、当選しにくくなるどころか
落選してしまうからです。

もしも、

アメリカで行われているような
インターネット選挙をそのまま
日本で導入したとしたら、

知名度もあり頭も良くて優秀な、
真に国民から選ばれた候補者が現れ、
クレジット献金などであっという間に
資金を集めて、当選されてしまうからです。

そうなると、

世襲議員のジバンなどというものは
簡単に崩されてしまいます。

しかし、そこまで簡単というわけでも
ないようで、たとえ善良な議員であっても、
一度でもお金を貰ってしまったら、
言うことを聞かなければならなくなります。

そのようなことはアメリカにも存在するのであって、
国民の選んだ候補者がワシントンで腐敗するというのが、
毎度、行なわれているようです。

2016年の大統領選挙の結果はそれが影響したと言えます。

トランプが自己資金で選挙活動を行なっていることや、

「何者にも買収されない」
というスタンスが、

「俺たち草の根の気持ちを分かっている」
ということになったのです。

3-2個人攻撃なれしていない日本の候補者

最近この「個人攻撃」という言葉をよく聞きます。

これは、マスコミがメディア、雑誌や新聞、
テレビなどを使って有名人の女性問題などを
事件にして誇張し書きたて、

嘘なのか本当なのかもわからない状態にして、
その人を追放あるいは貶める行為ですが、

この「個人攻撃」にあった有名人なり、政治家は
精神的にも立場的にもボロボロにされてしまうわけですが、

しかし、アメリカの選挙戦では
ふつうに行なわれていることで、

毎度、女性問題や金銭問題などのスキャンダル
が出てくるわけです。事実かどうかは関係ない。

08年のオバマ陣営ではこのような
ネガティブキャンペーンに対抗策として、
Fight The Smears.comという
特設サイトを作ったようです。

事実関係の確認できないことに対して、
支援者が反論できるという仕組みです。

日本だったら、大手メディアが言うから、
新聞に書いてあるから、という理由で
鵜呑みにするという風習のようなものが
あるようですが、

アメリカの場合はそうでもないようで、
「草の根」ティーパーティという人たちが
それを許さないということになっています。

簡単にいえば、アメリカに住むまっとうな人たちですが、

日本でもテレビを見ないという人が増えてきてるというのは
それらがつまらないという理由というよりは、メディアが
信用ならないと思う人が増えてきているからなのです。

4:まとめ

草の根「ティーパーティ運動」とは、
ボストン茶会事件をきっかけに、
アメリカの反政府・反税金の思想をもとに、
アンチビジネスを批判するものですが、

2016年の大統領選挙はトランプが
彼らとの考えに上手いこと合致させたことで
勝てたわけです。

ヒラリーのメール問題というのが
日本でも報道されたようですが、
そのメールの詳細に関しては報道されません。

アメリカでもCNNのようなところでは
似たようなものかもれませんが、

アメリカの「草の根」の人たちはそれが
嘘だということを知っているのか、情報が
行くようになっているようで、

ここでも、インターネットの
特にSNSやブログが機能したようです。

「どうもおかしいんじゃないか」

というような人が増えてきたわけです。

現在の日本ではそのような動きどころか
インターネット上での発現に対し政府が
プロパガンダ的な介入しているというのを
なんと、NHKが放送したそうです。

掲示板やサイトでの政府への批判的な
書き込みに対し、業者がアンチな書き込み
をする程度ですが、これに対し、

国民が自由意志というものを持たなければ
大変なことになるわけです。

政府がそのような状況なので、ネット選挙の
解禁はすぐにというわけにはいきませんが、

それでも、解禁の可能性があるとすれば、
「メールでの選挙活動」になります。

できれば、献金を促す内容も可能にしたいところです。

献金が集まらないのであれば、
国民が本当に望む政治家を選出
することは出来ないということです。

ネット選挙が解禁されない限り
日本に未来は無いと言えます。

 

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